冷凍肉の正しい解凍方法は?常温や電子レンジ解凍との違い、急いで解凍したい場合は?

料理

最近料理をしようと思って、冷凍庫に入れている肉を解凍し忘れることがよくあります。皆さんもそのような経験はありませんか?ついつい「時間がないから」「早く解凍できるから」と思って電子レンジや常温で解凍してしまいがちです。しかし、解凍時間は早いですが、その食材の品質を落としてしまっているかもしれません。

冷蔵庫での解凍がおすすめな理由

理由としては低温で解凍することによってドリップの流出を抑えることができるからです。ポイントは低温で解凍されることで、冷凍された食材の温度に対して、解凍時の環境の温度差が大ければ大きいほど食材の組織が一気に破壊され、ドリップの流出に繋がるのです。

冷蔵庫以外でも低温での解凍なら大丈夫

冷蔵庫のように低温で解凍することが良いと言いましたが、解凍条件が低温であれば冷蔵庫以外の方法でも大丈夫です。他の解凍方法として氷水での解凍があります。
こちらの解凍方法も解凍に少し時間はかかってしまいますが、ドリップの流出を抑えて解凍することができます。

解凍の注意点

冷蔵庫解凍

  • 冷凍肉の周りに食材を置きすぎない
  • 冷蔵庫の開け閉めをできるだけ減らす

氷水解凍

  • 氷が溶けてきたら補充する
  • 水が入らないよう袋などで密封する

冷凍肉の周りに食材をたくさん置いて冷蔵庫に保管してしまうと、周りに置いた食材の温度が高い時に冷凍肉に影響を受けてしまい、冷蔵庫の温度が上がった時もすぐに冷えないので注意しましょう。

ドリップが出ると何が悪いのか

ドリップとは、食材に含まれるたんぱく成分の液体化したもので、ほとんどがうまみ成分でもあります。ドリップが流出すると、そのうまみ成分がなくなるだけではなく、腐敗や食中毒の原因にもなりかねません。

うまみ成分や水分の流出

ドリップが多く出てしまうことによって、肉自体のうまみ成分が減少してしまいます。それによって味や栄養素が低下してしまいます。一度ドリップとして出たものは元に戻ることはないので、解凍の段階で出来るだけ抑えるかが重要です。

腐敗や食中毒

ドリップは細菌にとって繁殖しやすい温床です。保存時に菌が付着していればドリップから細菌が増殖し、その影響で臭いや腐敗も繋がってきます。ドリップが原因で肉にも菌が繁殖してしまうことによって食中毒の原因にもなるのでドリップはしっかり洗い流すことが大事です。

急いで解凍したい場合

冷蔵庫解凍や氷水の解凍は、数時間から半日以上も解凍に時間がかかります。なので調理直前に解凍することを忘れた場合は間に合いません。
もし解凍を忘れてすぐに解凍したい場合は以下の方法があります。

電子レンジ

この方法が解凍時間は一番短いです。
しかしドリップも多く出てしまい、解凍にムラができて火が入ってしまうこともあります。

常温解凍

時間は電子レンジよりは遅いですが、比較的に早く解凍できます。
この解凍方法もドリップが多く出てしまい、菌の発生の危険性もあるので長時間置きっぱなしにならないよう注意しましょう。

ぬるま湯または流水解凍

流水の場合だと電子レンジや常温解凍より時間はかかってしまいます。
ドリップも解凍温度が高くなるほど多くなり、解凍できているのに水につけたままにしておくと更に多くドリップが出てしまうので注意が必要です。

それぞれの比較

解凍時間ドリップ量
冷蔵庫半日~1日
氷水2~4時間
電子レンジ5分前後×
常温1〜3時間×
流水

ぬるま湯

10分~1時間

5分~20分

品質を気にせずに早く解凍したい場合は電子レンジやぬるま湯での解凍が早く、ドリップ量をできるだけ抑えて、栄養をできるだけ逃がしたくないという場合はやはり冷蔵庫や氷水での解凍になるので時間がどうしてもかかってしまいます。
薄くて少量であればその分早く解凍することができるので、冷凍の際はできるだけ小さく小分けして冷凍することを意識しましょう。また、薄い冷凍肉を解凍するときは流水解凍でもそこまでドリップは出ないので、冷蔵や氷水でなくても大丈夫です。

状況や冷凍の状態で使い分ける

塊肉の場合は中心まで解凍するのに時間がかかるので冷蔵庫や氷水でゆっくり解凍するのがおすすめですが、ばら肉のスライスなどは流水解凍の方が効率がよかったりします。肉の種類や用途によって解凍方法を変えていくことが一番です。それぞれの特徴を知り、解凍方法の注意点をしっかり把握して、効率の良いお肉の解凍をしておいしい料理を作っていきましょう。

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